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ー診療所薬剤師見学ー地域医療にどっぷり浸かった二日間でした。

ー診療所薬剤師見学ー地域医療にどっぷり浸かった二日間でした。 | 春日診療所

岐阜大学医学部附属病院薬剤師の山崎です。

岐阜県揖斐郡揖斐川町にある春日診療所・久瀬診療所へ”診療所薬剤師” の見学をしてきました。
今年5月の日本プライマリ・ケア連合学会で、お会いした春日診療所の菅波先生。
「4月から薬剤師が来てくれて、すごく助かっているんだよ。もっと薬剤師に来てほしい。見学だけでも」
と言われて、願ったり叶ったりな見学が実現しました。
(ずっと診療所薬剤師に興味がありました)

診療所薬剤師として働くのは、私の2年先輩の上村先生(私はりなさんとお呼びしています)

診療所薬剤師の仕事は、
午前は主に診療所の院内処方調剤
午後は訪問診療や老健の薬剤管理・指導

一番近い薬局が春日診療所から、7km。
バスを使って診療所に来る患者も多く、診療所が院内処方をせざるを得ない。人も資源も十分でない中で、薬剤師が薬物療法の質を担保する役割は大きいと感じました。

老健では、介護士や看護師、PT・OTが限られた時間の中で仕事をしていました。
りなさんが通ると、「ちょっといいですか?」と声をかけられることが多かったです。
薬の使い方に関する質問、薬が関わる患者ケアに関する質問、診療報酬に関する質問…分野を問わない質問が次々に来て、それに即座に対応したり、わからないことは一緒にじっくり考えたりしていました。

りなさんが春日診療所で働き始めて4ヶ月、
老健は7月から関わり始めたとのこと。
そんなに日が浅いとは思えない信頼関係を築いていて、それだけ薬剤師が求められているのだと感じました。

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嬉しい再会もありました。
プライマリ・ケアを知るきっかけを作ってくれた当時金沢の医学生の梁くんと、金沢の看護学生の四季ちゃん。
梁くんは、「地域医療のススメ」プログラムの後期研修中で、春日診療所で外来診療をしていて再会。
看護師の四季ちゃんは、輪島のごちゃまるクリニックで診療所看護師をしています。菅波先生が声をかけてくださり、共に春日診療所・久瀬診療所を見学しました。

四季ちゃんは初めての久瀬診療所の見学から10年。岐阜の地域医療教育のメッカの場所があり続けることが、学生時代に地域医療に感動した人達がそれぞれの地域で頑張り続ける源なのだと、彼女を見ていて思いました。また、春日診療所・久瀬診療所の看護師の人たちも、四季ちゃんに元気をもらっているような気がして、素敵な関係性だなと感じました。

学生時代に梁くんと四季ちゃんにプライマリ・ケアの面白さを教えてもらって、もうすぐ10年。2人が今も地域で楽しく働いているところを見て、元気をもらいました。
私も薬剤師として、地域を支える視点を持ちながら仕事をしていきたい(そしていつか、一緒に過ごしたい地域を見つけて診療所薬剤師になりたい)と思いました。

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最後に、振り返りで看護師から頂いた一言を。

” 楽しく働くこと。
 自分が楽しく働いていれば、周りも自然と楽しくなるよ。  “

楽しく働くとは何なのかを学んだあとのこの一言が、胸に刺さりました。これからも私の地域で、楽しく働きます。